リンとカルシウム
リンとカルシウムのバランスが大重要
手作り生肉フード作りにおいて、リンとカルシウムのバランスを整えることが最も重要なことです。
猫は、本来、獲れたての生きた獲物を食べる肉食動物です。その生きた獲物の栄養バランスに最大限近づけたキャットフードが、手作り生肉フードです。
野生の猫は、私達人間同様、毎日、同じものを食べているわけではありません。ある日はネズミ、ある日は小鳥、ある日は子ウサギかもしれません。昆虫をとって食べる日もあるでしょう。
毎日毎食、栄養バランス数値が整った市販フードを食べることの方が不自然です。私達人間が、栄養バランスが整っているというサプリメント入りビスケットと水を、毎日毎食、食べていることを想像してみてください。あっという間に、心身に不調をきたすことが想像できますね。
飼い猫に与える手作り生肉フードは、1週間7日間単位で、猫に必要な栄養バランスがだいたい整える、ということがベターであると思います。
しかし、毎日毎食、必ず、リンとカルシウムのバランスだけは整えてください。これだけは最低限のお約束です。めんどうでも計算してください。一度計算して、各配分を割り出してしまい、レシピを立ててしまえば、そのレシピはずっと使えます。
まずは、各種生肉が含有するリンとカルシウムの量、使用しているカルシウム素材（カルシウム剤、生骨ミンチ、卵殻パウダーなど）のリンとカルシウムの量を調べてください。
リンとカルシウムの比率
まず、この比率を暗記してください。
手作り生肉フード全体のカルシウムとリンのバランスは、リンが1に対して、カルシウムが 1.1 から 1.3 の間の比率になるようにします。
リンが1に対して、カルシウムは1.2前後と覚えておきましょう。
0.1グラム単位のスケール
若鶏ムネ肉皮無し 100グラムで手作り生肉フードを作る時、Nowクエン酸カルシウムパウダーの必要量は、約1.1グラムです。
よって、0.1グラム単位で計れるスケールは、必ず用意しましょう。
タニタ ポケッタブルスケール KP-103
手のひらに収まってしまうような、コンパクトなスケール。おかげで、収納が楽チン。
2001年に購入したので、2024年2月現在、22年間以上、使用できていて長持ち。さすが、タニタ製ね。約3,000円前後。
栄養計算ソフトわんにゃんテーブル
わんニャンテーブル
＊作成者に連絡し、確認したところ、2021年11月30日をもって、わんにゃんテーブルの配信が終了となりました。ですので、個々のホメオパシー相談のケースごとに、ダウンロード済みの「わんにゃんテーブル」を利用し、必要に応じて計算させていただくことになりました。
食品成分表からリン値などをひろい、リンとカルシウムのバランスを計算するのは、なかなか難しい作業です。
わんにゃんテーブルは、各材料の重量などの数字を入力すれば、簡単に計算してくれる便利な栄養計算ソフトです。
食品成分データベース文部科学省
食品の栄養成分、特に、生肉に含まれるリン値とカルシウム値などをざっくりと知りたい時は、のぞいてみてください。とても便利です。
食品成分を本で見たい場合は、アマゾンや楽天ブックスなどで検索して、探してみてください。
サプリメント各種
我家で利用しているサプリメントです。2024年2月現在、iHerbでまとめて購入するのが、一番お買い得のようです。
iHerbの猫まんまママのウィッシュリスト「手作り生肉フード用」をクリックして買い物すると、最大15%の割引が受けられるとのことです。
表示された「手作り生肉フード用」は、「カートに商品を追加する」ボタンをクリックし、「個人のカート」に入れた後、個数を増減したり、不要な商品を削除したり、他の欲しい商品を追加したりなど、自由にお使いになれます。
カルシウム剤
手作り生肉食を作るための最重要サプリメントです。骨のない生肉はリンまみれなので、そのリンとのバランスを取るためのカルシウム剤を、なにがなんでも必ず用意してください。そして、毎食、必ず、必要量を添加してください。必要量は、計算ソフト等で計算してください。
アメリカ Now 社のクエン酸カルシウムパウダー。
パウダーなので、必要量が計量しやすいです。
ビタミンB群
ビタミンB群は、2番目に重要なサプリメントです。すべての細胞に必要とされ、体内の様々な働きと関連しています。
アメリカ Nature’s Way 社製のビタミンB群50mgは、カプセルをはずせばパウダーですし、湿気で固まりにくく、使いやすいです。
しかし、6月から10月までは、冷蔵庫で保存した方が無難。
猫1匹につき、1日に、 1/10 カプセルが目安。
カプセルをはずして必要量を出したら、カプセルをかぶせなおし、飼い主の口の中に入れちゃってるよ。
ビタミンC
代謝機能を働かすために欠かせません。
猫は肝臓内で必要量のビタミンCを作る事ができますが、病気の猫は作る量が減ります。さらに、日々の心身へのストレスにより、必要量が増します。抗酸化剤として、毎日、与えましょう。
アメリカ Now社製のビタミンC500mgは、アスコルビン酸カルシウム。
酸味がないので、猫へ与えやすいです。
猫1匹につき、1日に、500mg~1,000mgが目安。
猫が10歳までは、1日に、500mg、１カプセルを。猫が10歳以上になったら、1日に、1,000mg、２カプセルを。
カプセルをはずして、パウダーを手作り食へ入れてるよ。
オメガ3オイル
必須脂肪酸であるオメガ3（アルファリノレン酸）を与えるために添加します。オメガ3は、皮膚と被毛の状態を整え、神経系の働きを助けます。
EPAとDHAも含みます。これらには、血液を浄化する作用があります。
アメリカ Now 社製のオメガ3オイル 1,000mg ソフトジェル。
オメガ3、EPA、DHAは、いずれも不飽和脂肪酸ですので、体内で酸化しやすいです。ですので、必ず、ビタミンEと共に与えましょう。
猫1匹につき、1週間に、2,000mg 〜4,000mgが目安。1,000mgのソフトジェルを2個〜4個。
オメガ３オイル1000mgソフトジェルが2個につき、ビタミンE-400のソフトジェルを1個、合計3個を１セットとするの。そして、1週間に、２セットを投与してるよ。
楊枝などをさし、穴をあけ、絞り出して、生肉フードに添加するの。
必ず、ビタミンEと一緒に与えるのが重要。オメガ3オイルが体内で酸化するのを防止するためなの。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化剤として与えます。細胞膜における不飽和脂肪酸（オメガ3オイルや植物オイルなど）の酸化を防止します。
猫へは、d-アルファトコフェロールを使用してください。ラベルをよくチェックしてください。d-alpha tocopheryl の表示のものを選んでください。dl や mixed は、NGです。
アメリカ Now 社製のビタミンE 400IU ソフトジェル。
オメガ3オイルや魚油、または、生魚、加熱魚の手作り食には、不飽和脂肪酸の酸化を防止するために、必ず加えてください。
ビタミンEは、脂溶性ビタミンです。脂肪と肝臓に貯えますので、猫に毎日与える必要がありません。むしろ、与え過ぎに注意してください。1週間に1回、まとめての給餌でもかまいません。
猫１匹につき、１週間に、400IU〜800IUが目安。ビタミンE-400のソフトジェルが、1〜2個。
オメガ３オイル1000mgソフトジェルが2個につき、ビタミンE-400のソフトジェルを1個、合計3個を１セットとするの。そして、1週間に、２セットを投与しようね。
ソフトジェルに楊枝などをさし、穴をあけ、絞り出して使ってるニャン！
ビタミンA&D
ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫細胞の働きを活性化します。また、目の健康に欠かせず、角膜の保水を維持するのに必要です。
ビタミンAを大別すると２種類あって、植物性由来のカロチノイドと動物性由来のレチノールです。猫は、カロチノイドをレチノールに変換することができないので、レチノールを与える必要があります。
レチノールは、脂溶性ビタミンです。レチノールの主な供給源は、レバー、卵、ミルク、バター、ギー、肝油です。
無塩バター、または、ギーを毎日与えている場合は、レチノールの必要量を摂取することができます。
ビタミンDも、脂溶性ビタミンで、カルシウムの吸収に欠かせません。主な供給源は、卵黄、魚です。
レチノールとビタミンDは、脂溶性ビタミンなので、1週間で必要量を満たすようなレシピを組むと良いでしょう。卵黄の入るレシピ、レバーを使用するレシピを作成すれば、必要量を摂取することができます。
いずれにしても、レチノールとビタミンDは脂溶性ビタミンゆえに、摂取しすぎは禁物なので、計算ソフトで厳密に計算しましょう。
アメリカ Now 社製のビタミンA&D 10,000IU / 400IU ソフトジェル。
脂溶性ビタミンですので、猫に与え過ぎに注意です。厳密に栄養計算をして、使用してください。
必要に応じて、猫1匹につき、1ヶ月1回、ソフトジェル 1個が目安。
楊枝などをさし、穴をあけ、絞り出して使用するの。オメガ3オイルやビタミンEオイルと一緒に与えるといいよね。
我家の猫達のうち、レバーを吐いてしまう猫が１匹、卵黄を吐いてしまう猫が1匹いるの。だから、レバーと卵黄を使うのをやめたのよ。
毎日、溶かした無塩バターを手作り生肉フードに混ぜて給餌しているので、レチノールの必要量の摂取はできているという計算なの。
栄養計算上、ビタミンDが少々不足しているけど、様子観察中。よって、現在、ビタミンA&Dは使用してニャイ！
アップルサイダービネガー（リンゴ酢）
生肉塊の除菌剤として利用します。
アメリカBragg社製のアップルサイダービネガー。
オーガニックのリンゴから作られていて、無添加。しかも、非加熱で無ろ過で仕上げられるので、酢酸菌がしっかりと残っています。
酢酸菌は、他の微生物を近づけない環境を作り、防腐、除菌、殺菌の働きをします。
ギー（精製バター）と無塩バター
市販のギー
ギーは、無塩バターを精製したもの。良質な飽和脂肪酸で、脂質源として主要な食材です。猫にとっては、「ギーが主食」と言っても過言ではありません。
アメリカのPure Indian Food社製のギー。オーガニックでグラスフェッドです。425g入り。
ギーの１日の給餌量は、猫の体重１キログラムに付き、1グラムから３グラム。体重の増減を観察しながら、決めます。
手作りギー
ギーは、無塩バターから手作りすることができ、経済的です。手間暇がかかりますが、市販のものより美味しいです。
ギーの作り方の動画
グラスフェッドバター食塩不使用
ニュージーランドのウエストランド社製のグラスフェッドバター食塩不使用。425g。
グラスフェッドバターは黄色味が強く、乳牛が葉緑素たっぷりの牧草を食べた証拠です。おのずとオメガ3を摂取することができます。
グラスフェッドバター食塩不使用1キログラムを1個使用して作ると、ギーの仕上がりの量は約800グラム。
2015年から、猫のために、ギーを手作りするようになったの。飼い主も美味しくいただいてるニャン！
ギーが用意できない時は、グラスフェッドバター食塩不使用を猫に与えてるよ。無塩バターの給餌量は、ギーの給餌量の２割増。
