猫にドライフードは赤信号
ドライフードを手放そう!
水分75%の獲物と水分10%のドライフード
野生の猫は、ネズミや小鳥など、小動物を捕獲して食べます。その獲物の体の70%前後が水分です。猫はアフリカの砂漠で進化し、獲物に含まれる水分のみで生きていけるように順応しました。
ドライフードに含まれる水分は、最大でも10%ぐらいです。
ドライフード100gに飲み水250mlが必要
100グラムのドライフードの水分含有率を、野生の猫の獲物と同じような75%にしようとすると、250ml以上の水を加えなければなりません。
1日に100グラムのドライフードを食べている飼い猫は、250ml以上の水を飲む必要があるという計算になります。
飼い猫が、1日に250ml以上の水を、自らすすんで飲むことは決してありません。猫は砂漠で進化した肉食動物なのですから。
では、飼い主が、100グラムのドライフードを250ml以上の水にふやかして用意したとしたらどうでしょうか?
水分の割合だけは理想的になるものの、タンパク質と脂質がとても薄められ、必要量を大幅に下回る計算になってしまいます。
タンパク質と脂質の摂取量を補うために、ドライフード量と水量を増やせば、炭水化物の過剰摂取になってしまいます。
ドライフードを、野生の猫の獲物の栄養バランスに調整することは、どうやっても不可能なことなのです。
炭水化物の過剰摂取
ドライフードには、重量の45%の炭水化物が含まれています。
ドライフードは、穀類をベースに作られていて、重量の半分以上が穀類です。ドライフードに使われる穀類は、トウモロコシ、米、麦などで、主要なカロリー源としています。
穀類は炭水化物であり、野生の猫が捕獲する小動物に含まれる栄養素は、ほとんど含まれていません。
近年、グレインフリー(穀類無添加)とうたっているドライフードがありますが、穀類の代わりに芋類や豆類が使われています。芋類や豆類も炭水化物であり、糖質であって、猫には不要で不自然な栄養素です。
野生の猫は、獲物の内臓肉(肝臓、胃、腸など)から、少々の炭水化物を摂取します。しかし、それは、獲物の体重の1~2%を占める程度で、ごくわずかです。
猫が、本来、エネルギー源として代謝するのは、主に、たんぱく質と脂質です。
肥満の原因
ドライフードによって過剰摂取された炭水化物は、肝臓で体脂肪に変換されます。炭水化物のほとんどは、体脂肪として蓄積されていきます。
つまり、ドライフードは肥満の原因となります。
ストルバイトの原因
また、ドライフードは、ストルバイト結晶の結石による膀胱閉塞など、FLUTD(尿路疾患)を引き起こす要因にもなっています。